食物アレルギーと向き合う

患者会と家族会

保護者の方のご意見をお伺いしていると、湿疹が出ているのにアナフィラキシーまでいかない程度だからと、また、薬を飲んでいるから大丈夫と、連日アレルゲン食品を食べさせていたり、お子さんから食べると体調が悪いと言われていても、子どもの言うことだからと食べさせている方もかなりいらっしゃる現状も垣間見ます。一方で兄弟が卵、乳アレルギーだからといって検査もせず、下の子もずっと食べさせないでいる方もいます。

多くの場合、自己流の判断、理解不足によるところが原因ですが、理解する材料・機会がない、何が正しいかわからない、客観的に見れない(うちはうち、よその家庭・子とは別という意識)、共感できる人がまわりにいない、病院に行ってもすべての医師から適切に教えてもらえるわけでないなどの背景も影響しています。

そのため正しい情報発信というのはとても大事なことですが、まだまだ理解が定着しているわけではない段階では、現状を伝えていくこと(他との違いに気づく)も大事だと思っています。

ただ、その際重要なのは、経験があって知識もある方とそうでない人の差が開かないように、また私は正しくてあなたは間違っている、足りていないというような構図を作らないようにすることが大事だと思います。
わかっている側とわかっていない側と壁をつくるようなことをしていては、結果的に世の中が変わっていくことにはならないでしょうから。

人並みの幸せを得たい、という体験談を書かれたアレルギー患者さんがいますが、「人並み」という表現はふさわしくない、と指摘された看護師さんがいらっしゃいました。看護師さんの意見もわかりますが、人並みの幸せを得たいという言葉は本人の心からの願いであり生の言葉であるのも事実です。

私は肺高血圧症などの難病疾患に関する仕事などもおこなってきたことで、患者会、家族会との付き合いも今までよくありました。そこで感じるのは、患者会と家族会では趣がかなり違う、場合によっては対立することもあるという点です。

食物アレルギーは患者会よりも家族会の存在の方が多いのですが、保護者としての意見なのか、患者としての意見なのか、受け手が理解していないことも多くあります。

「正しい」情報といっても、5年後、10年後にそれが本当に「正しい」のか、医学の観点でもまだまだわからない部分もあるかと思います。

そのうえで、理解のキャパシティを広げ選択肢を多く持ち向き合っていける場づくりを目指したいと思っています。

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